身体全体が均一に放射線被ばくを受けた場合、その線量を全身被ばく線量という。身体のある部位だけが被ばくした場合の部分被ばく線量に対していう用語。原子力施設内の、ある程度均一化された放射線場における作業で受ける外部被ばくは、おおむね全身被ばくとみなされる。したがって作業員が着用しているフィルムバッジ等の個人線量計の測定値は、通常全身被ばく線量を表している。また体内に取り込んだ放射性物質が体内に均等に分布する場合も、それによる内部被ばくは全身被ばくとみなされる。しかしICRPの1977年勧告以後は全身被ばく、部分被ばくを問わず、身体全体への身体的影響に寄与する実効線量当量が用いられるようになった。