放射線に被曝した場合に同じ吸収線量であっても、放射線の種類、エネルギーの違いにより生物に及ぼす効果に量的な差がある。その違いを比で表したものが生物学的効果比(RBE)である。通常、対象とする放射線と基準放射線とが生体に等しい変化を与えるときに、前者の吸収線量を後者の吸収線量で割って得られる値であらわす。基準の放射線としてはX線またはγ線が用いられる。線量当量(放射線の生物学的な影響を計算するための量)の算出に用いられる線質係数は、確率的影響に対するRBEにほぼ等しい。この場合のRBEはx、γ、β線は1、エネルギー2Mev以上の陽子は5、α線は20、中性子はエネルギーにより5〜20とされている。