制動放射線

制動放射線 せいどうほうしゃせん

 高速で運動する荷電粒子、例えば電子が原子核の近傍を通過するときに、その電界によって減速され、その際失ったエネルギーを電磁波、すなわちX線として放出する。このように電子と強い電磁界との相互作用でX線が放出される現象を制動放射といい、放出される電磁波を制動放射線または制動X線という。制動X線のエネルギーのスペクトルは連続である。電子の制動放射によるエネルギー損失は電子のエネルギーに比例し、物質衝突の場合その原子の原子番号の2乗にほぼ比例する。したがってβ線の遮蔽には小さい原子番号の物質を線源側におき、制動X線の遮蔽材を外側に置くのがよい。放射光は高速電子を意図的に偏向電磁石やウィグラー、アンジュレーター等の挿入装置で曲げたとき出る制動放射線(X線)である。


<登録年月> 1998年01月

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