雄では精巣(精子を形成する器官、哺乳類では睾丸ともいう)、雌では卵巣(卵を形成する器官)である。人間など哺乳類では左右対をなしている。生殖腺は放射線感受性が高い器官であり、遺伝的影響が重要である。ICRP 60(−Pub60(国際放射線防護委員会の刊行物No.90、1990年)では、重要な遺伝性障害の発生する確率は1×102/Sv(職業人では6×103/Sv)としている。また、組織荷重係数は0.2、すなわち生殖腺の放射線被ばくのリスクは全身が均等に被ばくした場合の10分の2である。 また、急性障害としては不妊がある。一時的不妊のしきい線量は男子の生殖腺で0.15Sv、女子では0.65〜1.5Svとされている。