水晶体

水晶体 すいしょうたい

 人や動物の眼の前面に位置して角膜とともに光を屈折し、網膜上に焦点を合わせて結像させる凸レンズ形の器官である。放射線感受性が比較的高く、放射線防護の立場から特に注意を要する重要な器官である。放射線を被ばくしてから、かなり長期間経過後に白内障となって症状が現れる。組織荷重係数を用いて総括的に被ばく線量を表す実効線量による被ばく管理は、水晶体及び局所被ばくの多い皮膚に対しては必ずしも充分でないことを考慮し、「放射線障害防止法」では、組織独自の等価線量を用いた管理を行うことを定めており、放射線業務従事者の水晶体に対する等価線量限度を1年間において150mSvと定めている。外部被ばくによる水晶体の等価線量の評価には、個人線量計から得られた1cm線量当量または70μm線量当量のうち、放射線の種類及びエネルギーを考慮して適切な方を用いる。


<登録年月> 2012年01月

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