重水素同士で核融合を起こす反応(D-D反応)である。この反応は、現在核融合炉で実現を目指している重水素と三重水素の反応(D-T反応)より臨界プリズマ条件が厳しい。この条件は、プラズマの温度と、プラズマの密度(n)と閉じこめ時間(τ)の積(nτ)との関係で与えられ、D-T反応の場合はプラズマ温度1億度の時nτは約2×1014 s/cm3以上であるが、D-D反応ではプラズマ温度6億度以上が必要であり、条件としてはD-D反応の方が厳しい。しかしながら、トリチウムは天然に存在しないのに対し、重水素は海水から無尽蔵に取り得ること、トリチウムと異なり重水素は放射能を持たないことから、D-D反応はD-T反応よりも資源および放射線安全の面からは望まれている。