Oxygen Enhancement Ratio(OER)。放射線の生物作用は酸素の有無によって大きく影響される。細胞内に酸素が存在すると放射線の生物作用は一般に大きくなる。この現象を酸素効果という。酸素効果の大きさを表すのに、酸素のない条件で、ある効果を生じるのに要する線量と、酸素のある条件で同じ効果を生じるのに要する線量の比で表される酸素増感比(OER)が用いられる。低 LET 放射線では2.5〜3である。粒子線のような高LET放射線は、低LET放射線よりも酸素による放射線感受性の変動が小さく、酸素増感比は小さい値を示す。腫瘍組織は低酸素状態を含み、放射線感受性が正常細胞より低下し、放射線抵抗性になる。これは、放射線治療の効果を低下させる要因となる。