酸素効果

酸素効果 さんそこうか

 oxygen effect。酸素中で物質を照射した方が無酸素中で照射するよりも放射線感受性が高くなることを酸素効果という。細胞周辺の酸素分圧が高いほど、細胞に与える放射線の生物学的効果が大きくなる。照射直前や照射直後に酸素を与えても酸素効果は発現しない。このしくみの詳細は明確にされていないが、生体に照射したときに生じるフリーラジカルが酸素の存在下で有機過酸化物を生じ、生体の分子レベルで修復不能な障害を与えると考えられている。例えば肺癌の治療の一つとして酸素吸入を行いながら放射線の照射による治療効果を上げるなどに応用される。


<登録年月> 1998年01月

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