臨界実験装置

臨界実験装置 りんかいじっけんそうち

 Critical assembly. 原子炉の設計、運転、安全評価に必要な炉物理データを得るための実験装置をいう。臨界実験装置は、原子炉の炉心を模擬し、核燃料、制御材、減速材などの炉心の構成が変えられるように作られており、核燃料の発熱はわずかであるので冷却系は無い。核燃料と減速材の種類と濃度、制御材の種類と配置など炉心の構成を変えることによって臨界条件など原子炉の特性が変化する。この時の中性子束の空間分布、エネルギー分布、反応度温度係数、制御棒反応度効果、サンプルの反応度価値などの炉心特性から炉物理データが得られる。低出力運転で運転されるため、運転停止後の放射線が低いレベルに保たれて、炉心の組み替え、実験装置の付設、計測器の炉心部での挿入・引き抜きが容易なことが大きな特徴である。代表的装置として日本原子力研究開発機構に軽水炉心用のTCA、高速炉心用のFCA、また臨界安全研究用のSTACY、TRACYがある。


<登録年月> 2015年02月

<用語辞書ダウンロード>PDFダウンロード



JAEA JAEAトップページへ ATOMICA ATOMICAトップページへ