1956年にロシアのディミトロフグラードに設立された原子炉研究所（State Scientific Center of Russian Federation−Research Institute of Atomic Reactors：RIAR）である。主な施設には、材料試験炉MIR、高速実験炉BOR−60、沸騰水型軽水炉VK−50、有機冷却材炉などがあり、原子炉工学、原子炉材料の研究、超ウラン元素の物理研究などが行われている。核燃料サイクル関連では、振動充填（バイパック）方式によるウラン−プルトニウム混合酸化物（MOX）燃料製造、乾式再処理技術の研究、廃棄物処分複合体などの研究を行っている。核燃料サイクル開発機構（現日本原子力研究開発機構）は、RIARで開発されたバイパック法により、戦略核兵器削減条約に伴い発生する解体プルトニウムを含むMOX燃料を製造し、高速炉BN−600で燃焼、消滅させる研究協力（ロシア支援の一環）を1999年5月から進め2005年3月に終了した。これまでに３体の燃料集合体をBN−600に装荷し、2002年3月に目標燃焼度までの照射を完了し、2003年4月から照射後試験を進め、MOXバイパック燃料はMOX燃料ペレットと同等の健全性が確認された。