SPring−8とは、線形加速器及びシンクロトロンによってエネルギー8ギガ(80億)電子ボルトに加速した電子を蓄積リング中(周長:1436m)で回転・蓄積し、赤外線からX線までの広い波長範囲の放射光を発生させる世界最大の放射光発生装置である。放射光とは、ほぼ光速で直進する電子が、その進行方向を磁石で変えられた際に発生する電磁波をいう。これらの強力な放射光を利用して、物理、化学、生物学の研究や材料の開発、医療への応用など幅広い基礎研究が行われている。これまで見ることができなかったものを「見る」ための研究や創ることができなかったものを「創る」ための研究が行われている。例えば、微少蛋白結晶などの生体物質の原子レベルでの解明、これまでは検出できなかった極微量の元素分析などが実現している。