Ge(Li) detector. p型ゲルマニウムにリチウムをドリフトして作られた半導体検出器。電気伝導度が導体と絶縁体の中間で105〜10−7モー(mho)の領域にある結晶物質を半導体という。半導体内部に空乏層と呼ばれるキャリアのない領域を作ることにより高抵抗の領域を作り出す。この空乏層に荷電粒子が入射してイオン化が起り、正負の電荷が生ずると電離箱と同じ原理で電流パルスを生じ放射線の検出が可能になる。Ge半導体内部に空乏層を作るためにドナー不純物としてLiを拡散させたものがGe(Li)半導体である。この半導体を用いた検出器の特徴は、高分解能でエネルギー分析ができること及び高いエネルギーの粒子が検出できることである。