WIND計画(Wide Range Piping Integrity Demonstration(WIND)計画:配管信頼性実証試験計画)は、原子炉の過酷事故(シビアアクシデント)時における原子炉一次冷却系の挙動を解明するための試験計画である。過酷事故時、原子炉一次冷却系には、沈着した核分裂生成物(FP)が出す崩壊熱と炉心から流入する高温の気体による熱負荷が加わる。このような場合でも、冷却系配管が健全性を保てるかどうかは、シビアアクシデントの進展に大きな影響を及ぼす。またアクシデントマネージメントとして配管を通して非常用冷却水が確実に炉心に到達するためには、配管が破損するまでに十分な時間的余裕があることを実証することが必要である。このため、科学技術庁(現文部科学省)からの委託を受け日本原子力研究所(現日本原子力研究開発機構)がこの試験を1993年から開始し、配管内FPエアロゾル挙動試験、配管高温負荷試験を実施するとともに関連する解析コードの開発・検証が進められ、FPの配管内壁への沈着、一旦沈着したFPの再蒸発、配管の破損等に関する知見が得られた。