照射誘起応力腐食割れ IASCC

照射誘起応力腐食割れ しょうしゃゆうきおうりょくふしょくわれ

 irradiation assisted stress corrosion cracking. 腐食割れ(SCC)に関わる3要因は「材料、環境、応力」であり、これらが特定の条件を満たすときにSCCが発生する。炉内で使用される構造物・機器を対象とする場合、この環境因子に高温高圧水の化学環境のほかに、中性子とガンマ線の照射環境が加わる。すなわち、照射誘起応力腐食割れ(IASCC)とは、材料の化学組成や微細組織が中性子・ガンマ線照射の影響によって変化することにより発生するSCCである。IASCCの発生に関わる3要因(照射、腐食、応力)とそれらの重畳作用による材料の劣化・損傷現象を図に示す。照射が材料劣化・損傷に大きな影響を与えず、高温水の放射線分解を介してSCC挙動に影響を与える場合は、IASCCの範疇に加えず、ある程度以上の中性子照射(しきい照射量)を受けて材料が変質した場合のSCCをIASCCと呼ぶ。


<登録年月> 2003年03月

<用語辞書ダウンロード>PDFダウンロード



JAEA JAEAトップページへ ATOMICA ATOMICAトップページへ