無煙炭

無煙炭 むえんたん

 最も炭化度の高い石炭で、炭素含有量は90%以上(揮発分が20%以下、固定炭素分は80%以上)であり、燃焼時にほとんど煙や臭いを出さない。揮発分が少ないので、着火性は悪い。家庭用の練炭の原料やカーバイドの原料のほか、重量当りの発熱量が大きく不純物も少ないため、セメントキルン等の投入燃料としても用いられる。石炭は古代の植物が分解せずに変質して生成した物質である。枯れて倒れた樹木が湿地帯などで酸素の少ない水中に沈むと、分解されずに残った組織が泥炭となって堆積する。泥炭は長期間にわたって地圧や地熱を受けることにより、褐炭、瀝青炭、無煙炭に変わっていく。この過程を石炭化と呼び、その終着点が無煙炭である。


<登録年月> 2009年03月

<用語辞書ダウンロード>PDFダウンロード



JAEA JAEAトップページへ ATOMICA ATOMICAトップページへ