老朽化して運転を永久停止した原子力発電施設等の廃止措置のことをいう。国際原子力機関(IAEA)は1975年に廃止措置の方式について報告し、廃止対象原子炉施設をステージ1(監視付き貯蔵)、ステージ2(制限付き敷地解放)、ステージ3(制限なし敷地解放)の三段階に分類することを提案した。わが国ではこれに基づき、密閉管理、遮へい隔離、解体撤去と分類したが、商業用原子力発電施設の標準工程としてステージ1と2を組み合わせた安全貯蔵を行い、その後に解体撤去することとした。諸外国ではその事情に応じて独自の方式を採用している。例えば、ドイツは即時解体(ステージ3)を原則とし、フランスはステージ2+ステージ3の組み合わせを基本としている。また、米国は即時解体、安全貯蔵または遮へい隔離後に解体の中から設置者が合理的なものを選択することとしている。全体として、これまでは放射能レベルが低下するのを待って解体する方針が採られてきたが、施設に精通した人的資源等が失われるリスクがあること、廃止措置技術の向上と経済性の観点から解体撤去を早める傾向にある。