単位量の活動のために使用されるエネルギー量を表し、エネルギー利用効率の尺度として用いられる。産業部門に関しては通常、単位生産額当たりのエネルギー消費をエネルギー原単位という。エネルギー原単位の長期変化を調べるときには、業種内の生産品目構成の変化等を考慮するため、生産額の代わりに鉱工業生産指数当たりで表示することが多い。業務部門(事務所、商店、病院等)に関しては、床面積当たり又は従業員当たりのエネルギー消費量で、また、家庭部門の場合には世帯当たりのエネルギー消費量で定義することが多い。輸送分野では、一般には単位輸送量(旅客では人km、貨物ではトンkm)当たりで表すことにより輸送機関(自動車、鉄道、航空機等)の原単位の評価が行われるが、自動車に関しては単位燃料消費量当たりの走行距離(いわゆる燃費)を用いて燃料利用効率の評価を行うことが多い。わが国では1973年の石油危機以降、省エネルギーに強力に取り組み、特に産業部門ではエネルギー原単位が大幅に改善された。しかし、1990年以降はエネルギー原単位の改善が停滞または後退している産業分野も多い。