市場原理

市場原理 しじょうげんり

 誰もが参加できる市場において生産物等の取引を自由に行うことにより、価格による調整メカニズムを通じて適正水準で取引数量が決定され、これによって生産要素の最適配分が実現し、経済発展がもたらされる仕組みのこと。自由な競争環境の中で、経済主体が合理的に行動(生産者は利潤最大化、消費者は効用最大化)すること、また、経済主体の個々の行動が市場全体に影響を及ぼさないことなどを前提としている。市場原理主義とは、政府の干渉を排除し、市場にすべてを委ねることによって経済上の諸問題を解決できるとする考え方であるが、市場機能への過度の依存には批判的な見方もある。1970年代の米国、英国等では公的部門への市場原理の導入で、深刻な経済不況からの脱却に成功したが、一方で所得格差の拡大、公共サービスの低下などの弊害の発生も指摘されている。


<登録年月> 2007年12月

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