PCCV プレストレスト・コンクリート製格納容器

PCCV ぴーしーしーぶい

 プレストレスト・コンクリートと呼ばれる高強度の鉄筋コンクリートで作られた原子炉格納容器。プレストレスト・コンクリートは、内部にテンドンと呼ばれる鋼線を入れて予め構造物を強く締めつけ、圧縮力を与えた状態で製造した鉄筋コンクリートである。地震国の我が国では万一の場合に放射能の最終閉じ込め機能を担う原子炉格納容器には高度の耐震性能が要求されており、これまでの原子力発電所では肉厚の鋼製格納容器が採用されてきた。しかし、近年原子力発電所の単基容量が増大し、格納容器が大型化するに伴い、製作上の問題を解決するとともに、原子炉建屋を小型軽量化して耐震性を向上させるために、コンクリート製格納容器が採用されるようになってきている。特に、PWRでは原子炉冷却材喪失事故時における圧力上昇に耐えるため、格納容器の強度を増大するか、又は内容積を大きくすることが必要となり、強度の高いプレストレスト・コンクリートが使用されるようになった。我が国では大飯発電所3号、4号、玄海発電所3号、4号などの120万kW級のPWRでPCCVが採用されている。


<登録年月> 2007年12月

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