シード線源

シード線源 しーどせんげん

 前立腺がんの放射線治療のため、患部に永久挿入して用いる線源をシード線源という。直径0.8mm、長さ4.5mmのチタンでできたカプセルの中に微量の放射線を出す放射性ヨウ素(I−125)が密封されたものである。シード線源から出る放射線は徐々に弱まり、約60日で半分、1年でほぼ消失する。このシード線源を用いる治療は、小さな放射線源を治療する部所に挿入して行う小線源療法の一つである。日本では前立腺がんの放射線治療にイリジウム(Ir−192)線源を一時的に前立腺内に留置する方法が1994年から行われているが、シード線源による治療は、(1)放射線障害がおこりにくい、(2)安定した照射野が得られる、(3)性機能が維持されやすく、尿失禁は起こりにくい、(4)体への負担が少なく、入院・治療期間が短いなど利点が多く、2003年7月に法整備が行われ、この治療が可能となった。


<登録年月> 2007年11月

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