地域気候モデル

地域気候モデル ちいききこうもでる

 地域気候モデルは、地球温暖化に伴う気候変化が各地域の気候に及ぼす影響を詳細に評価するために開発された気候モデルである。地球温暖化を予測する全球気候モデルは地球全体を対象としているため、一定の地域の気候変化を精度良く予測できない。地域気候モデルには、現実に近い地形効果、二酸化炭素などの温室効果ガスの濃度変化を考慮した放射過程、雲水、雲氷、雨滴、雪、あられなどの量を三次元的に計算し、積乱雲などの発生や発達を精度よく予測できる精緻な降水過程、乱流による熱などの輸送を計算する境界層過程、日射による地面温度の上昇や積雪の変動などを計算する陸面過程などを組み込み、長期的な時間積分により、地域ごとの気候状態を精度よく予測する。地域の温暖化予測の手順は、例えば次のようになる:1)全球気候モデルの高分解能化を図る、2)全球気候モデルの計算結果を境界条件として入れ子(ネスティング)した高分解能地域気候モデルを用いる、3)全球気候モデルの出力を使って統計的方法によって地域的な予測を行う。


<登録年月> 2007年09月

<用語辞書ダウンロード>PDFダウンロード



JAEA JAEAトップページへ ATOMICA ATOMICAトップページへ