預託線量は放射性物質摂取後、体内からなくなるまでの総被ばく線量を、体内摂取時に被ばくしたものと見なす線量として定義される量で、単位はSvである。実効線量(全身に換算した被ばくの影響)で評価するときは預託実効線量という。実効線量(E)は、放射線被ばくによる各臓器または身体組織に対する確率的影響の程度を表すための量であり、E=ΣWT・HTで表される。ここで、HTは対象臓器または組織Tの線量、WTは対象臓器または組織Tの荷重係数(生殖腺では0.20、乳房では0.05、甲状腺では0.05)である。内部被ばくでは、放射線源が体内に存在する限り被ばくが継続するので、被ばく期間が特定されていなければ放射線作業従事者の就業期間を50年として、放射性物質摂取後50年間に受ける実効線量を使用する。なお、ICRPの1990年勧告の法制度化以降、預託実効線量当量は預託実効線量に統一された。