単位量の電気の生産に必要な費用。日本では通常、円/kWhで表示される。計算方式により、かつて通商産業省(現経済産業省)の試算で用いられた初年度発電原価、現在、経済産業省、電気事業連合会、国際機関等で採用されている耐用年均等化発電原価に大別される。前者は運転開始初年度の運転経費実績に基づき発電原価を算出したもの。これに対し、後者は発電所の耐用年数にわたる燃料費の変動、設備維持費の上昇等を想定して積算の総発電費用を求め、これを積算の発電電力量で割って求める。この時、割引率という概念を導入して将来の費用を運転開始時点の価値に換算して積算を行う。なお、発電の費用は資本費、運転維持費、燃料費で構成されるが、資本費の大部分は設備取得費(建設費+建中利子)の減価償却分である。日本の場合にはこの減価償却分を設備の法定耐用年数に基づいて算定するのが通例であるが、国際機関では技術的な耐用年数に基づいて計算を行うという違いがある。