特に1972年のTMI−2事故後検討されている原子炉概念。炉心の構成要素およびその形状等から定まる固有の特性により動的機器に依存せず静的機器のみで安全性が確保される原子炉。例えば固有の特性として、炉心を強制冷却しなくとも自然循環或いは熱伝導により崩壊熱を除去できること、炉心出力が急激上昇すると負の反応度フィードバック特性による出力抑制効果により反応度事故を防止できることなどが挙げられる。スウェーデンのPIUS炉が代表的である。高温ガス炉では減速材に熱容量が大きく耐熱性の高い黒鉛を使用しているので炉心溶融がなく、冷却材に不活性ガスのヘリウムを使用しているので燃料や構造材との化学的相互作用がなく、固有の安全性が高いといわれている。また、炉心の大きな負の温度反応度係数を活用した4S炉と呼ばれるナトリウム冷却小型高速炉の開発が進められている。なお、次世代原子炉の開発では、固有の安全性を高めるため安全系などの設備に検討が加えられている。