TRACY 過渡臨界実験装置

過渡臨界実験装置 かとりんかいじっけんそうち

 TRACY(過度臨界実験装置)は再処理施設における臨界事故を模擬した研究を目的に、STACY(定常臨界実験装置)とともに日本原子力研究所(現、日本原子力研究開発機構)の燃料サイクル安全工学研究施設(NUCEF)に設置されている。TRACYは、1996年6月から実験を開始し、万一、臨界を超えるような事象を模擬した実験を行い、燃料溶液体系の臨界事故時の出力上昇、沸騰による蒸気ボイドおよび放射線分解によるガスボイドの生成、それに伴う圧力の上昇、燃料溶液、エアロゾルの挙動などの過度現象に関する基礎的データの取得、各種測定技術の開発などを行っている。TRACYを用いた臨界事故を模擬した実験により、低濃縮ウラン硝酸溶液系のデータが蓄積され、得られた知見は、1999年9月に茨城県東海村のJCO核燃料加工施設で発生した臨界事故の際にも、事故の終息や事象の調査において活用された。


<登録年月> 2007年07月

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