表層水塊

表層水塊 ひょうそうすいかい

 表層水塊とは、太平洋、大西洋、インド洋の各大洋の、ある海域の表層(海面から水深500m程度まで)に広く分布する、海域に固有の水温や塩分などで特徴づけられる海水をいう。表層水塊の一つとして、海水の体積が統計学上の最頻値を表すモードになっているという意味から、モード水と呼ばれる水塊がある。このモード水は各大洋の中緯度において、冬季に混合層が周りに比べて深くまで発達する海域で形成される。代表的なものに、北半球の亜熱帯循環域の北西部に広く分布する北太平洋亜熱帯モード水と北大西洋亜熱帯モード水がある。また、各大洋の中央部の回帰線付近では、海面からの蒸発が活発なことから高塩分水が形成され、亜熱帯循環の南西部(南半球では北西部)の表層に塩分極大層として分布している。この表層水塊は回帰線水と呼ばれ、北太平洋では亜熱帯循環域の南西部に広く分布する北太平洋回帰線水がある(図参照)。


<登録年月> 2007年06月

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