不定時法

不定時法 ふていじほう

 不定時法とは江戸時代の日本で用いられていた時間区分法である。太陽の動きに合わせて、1日を昼と夜に分け、それぞれを6等分し、ひとつを「刻」という。季節により、また現在地の緯度によっても昼と夜の長さが変わり、時間の長さ(昼と夜の一刻の間刻)が一定しないことから、「不定時法」と呼ばれている。刻を表すために十二支と数字が併用され、日の出が「卯の刻六つ(明け六つ)」と呼ばれ、「午の刻九つ」に太陽が南中し、日没が「西の刻六つ(暮れ六つ」となる。これによると、江戸で卯の刻六つは、夏至の頃には午前5時半過ぎ、冬至の頃には午前7時過ぎになることから、夏は冬より1時間程度時刻が早く来て、日没までの時間が長くなり、現在のサマータイムの考えと同様、江戸時代には自然の摂理に従った省エネ生活が普通に行われていたことになる。これに対し現代では1日を24時間に分割し、時間の長さは季節・緯度に関わらず一定である「定時法」が明治6年1月1日以降用いられている。


<登録年月> 2007年07月

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