日本原子力研究開発機構が中心となって進めている高速増殖炉(FBR)サイクル実用化に向けた研究開発をいう。原型炉もんじゅのナトリウム漏洩事故を受けてFBR実証炉建設計画が白紙となったため、実用技術概念の検討・選定を改めて行うことを目的に1999年7月から2006年3月まで実用化戦略調査研究(略称FS)が実施された。2006年3月のFS最終報告書では、酸化物燃料を用いたナトリウム冷却炉、ピューレックス法に基づく先進湿式法再処理、簡素化ペレット法燃料製造の組合せが実現性の最も高いシステムであるとし、今後はこれらの実用化を目指した技術開発を行うべきとの結論が示された。そこで国は2006年12月に今後のFBR開発に係る基本方針を示し、FaCTプロジェクトが開始された。このプロジェクトでは2015年頃までに実用施設とその実証施設の概念設計を行うとともに、2025年頃の実証炉運転開始に向けて設計・建設を行うことを目指している。