トランスヒートコンテナシステム

トランスヒートコンテナシステム とらんすひーとこんてなしすてむ

 「トランスヒートコンテナ」システムは、未利用の排熱を利用可能とするエネルギーの有効利用技術で、製鉄所、発電プラント等の工場や、下水汚泥焼却プラント、ごみ焼却プラントなどから発生する200℃以下の低温排熱をコンテナ内の「潜熱蓄熱材」に高密度に蓄え、病院やオフィス、公共施設などへ専用トラックで輸送し、熱エネルギーとして利用するものである。本システムは従来からの温水の直接導管供給方式と比較して、次のようなメリットがある。1.配管敷設の制約に縛られず、インフラ整備コストの大幅削減が可能、2.従来の熱供給区域(〜2km)より遠方(20km圏内)への熱供給が可能、3.中低温(100℃〜)の排熱の活用が可能(冷房用)。日本全国の清掃工場では未利用の排熱が放出されているが、本システムが実用化された場合、年間当たりボイラー燃料使用量(A重油換算)約250万klの削減に寄与し、二酸化炭素排出量を大幅に削減することが可能となる。環境省の主導による「地球温暖化対策技術開発事業」の一環として、本システムによる熱輸送技術の研究・開発および実証試験が進められている。


<登録年月> 2007年07月

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