エネルギー収支比(Energy Profit Ratio:EPR)とは、得られるエネルギー(出力)を、それを取り出すためのエネルギー(入力)で除して求められる指標をいう。取り出すためのエネルギーには、燃料採掘・輸送、発電施設の建設・運転・補修、廃施設、廃棄物の処理・処分など全ての項目を可能な限り取り込んで計算する。EPRが1の場合、あるエネルギー源から得られるエネルギーは、それを取り出すために費やしたエネルギーと同じであり益がない。この値が大きいほど益が大きく、「質」のいいエネルギーということになる。米国において、石油が自噴していた時のEPRは100以上であったが、1970年代には8まで低下した。最近の発電についてのEPRの評価では、原子力17.4、中小水力15.3、石油火力7.9、石炭火力6.6、地熱6.8、風力3.9、太陽光2.0などとなっている。