イリジウム(Ir−192)線源は工業、医療などに用いられる放射線照射用線源であり、Ir−192はガンマ線を放出するラジオアイソトープである。生成はPt−Ir合金をPtで被覆したものを研究用原子炉(JRR−3M、JRR−4など)で中性子照射して得られ、半減期は73.8日である。Ir−192線源の特徴は、材質が柔軟で種々の形状(ヘヤピン、シングルピン、シンワイヤ、シードアセンブリィ等)のものが得られることにあり、密封のIr−192小線源は、組織内局所治療用として、舌、前立腺、子宮頸、頭頸部、食道などの患部に挿入などを行って治療する小線源療法の線源のひとつである。中空のチューブを患部に留置し、チューブ内で粒状の放射線源(イリジウム)を移動させ照射する遠隔操作式の放射線治療も近年始められている。