トリチウム回収技術

トリチウム回収技術 とりちうむかいしゅうぎじゅつ

 使用済燃料の再処理で放出されるトリチウム(三重水素:3H又はT)の環境排出を極力低減する目的で開発が進められている回収技術。ボロキシデーション法と水リサイクル法の2種が提案されている。ボロキシデーション法は、燃料の解砕により、内部に閉じ込められていたTを気体にして放出させ、回収する方法である。具体的には、使用済燃料中のUO2を高温酸化してU3O8とし、ついでU3O8を還元して再びUO2に戻すプロセスを反復することにより、体積変化(相変化)に起因する解砕を促す方法である。もし、酸化−還元の繰り返し工程で全量のTが回収されるなら、Tは溶解・溶媒抽出の工程(湿式系)に移行することはなく容易に回収可能となるが、実際には回収Tの割合は高くなく、また、高温条件が必要であることなどの課題もある。他方、水リサイクルでは、水相と溶媒相へのTの分配差を利用し、UとPuを含むプロダクト溶媒を水洗することによって、共除染工程より下流側に移行するTを減少させる方法である。水相に移行したTは同位体分離によって濃縮した後、処理処分が行われる。このため、効率的なレーザー同位体分離技術の開発が進められている。


<登録年月> 2012年01月

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