原子炉施設の廃止措置等に伴い発生する廃棄物には、明らかに放射性物質ではないものと、放射性物質を含むものとがある。この放射性物質を含むものの中には、放射性物質の放射能濃度が極めて低く人の健康への影響が無視できることから、放射性物質として扱う必要のないもの(クリアランス物質)がある。これを選別する基準をクリアランスレベルといい、このレベル以下であることが確認(クリアランスレベル検認制度)されたものを普通の廃棄物として再生利用、または処分できるようにする制度をクリアランス制度という。総合資源エネルギー調査会 原子力安全・保安部会の廃棄物安全小委員会は平成16年12月、このクリアランスレベルに、推定年線量が10マイクロシーベルト以下になるよう定めた国際原子力機関(IAEA)の安全指針を適用することを決めた。