アフラトキシン

アフラトキシン あふらときしん

aflatoxin. カビ毒の一種。10数種の物質の総称で、特に重要なのはアフラトキシンB1、B2、G1、G2とM1とされる。多くの種類の動物や魚に対して非常に強い急性毒性と発がん性を持つ。人の肝臓がんの原因物質の一つとされる。主に熱帯及び亜熱帯地域に生息するアスペルギルス・フラバスなどの麹菌の特定菌株が作るので、その名称と毒(トキシン)を合成してアフラトキシンと命名された。1960年にイギリスで七面鳥が大量死した際の原因究明中に発見された。現在は世界の各国で食品及び飼料中の量を規制しているが、基準は国ごとに異なる。日本の場合には毒性、検出率ともに最高であるアフラトキシンB1に対して設定されており、全食品を対象として10μg/kgとしている。日本ではこれまで国産品からアフラトキシンは検出されていないが、輸入食品から規制値を上回る量が検出された事例は何件かある。加熱等の調理加工では減少しないため、放射線照射処理によるアフラトキシン生産菌殺滅およびアフラトキシン分解無毒化に関する基礎研究が行なわれている。


<登録年月> 2010年12月

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