超臨界水

超臨界水 ちょうりんかいすい

 super critical waater. 水の温度と圧力を上昇させた場合、ある条件以上で液体と気体の密度が同じで二相を区別できなくなる領域があり、この領域の水を超臨界水という。水は通常の状態で加熱すると液体と気体の二相に分かれるが、ある温度と圧力で気体と液体の密度が同じになり、二相が区別できなくなる状態、いわゆる超臨界状態となる。この温度・圧力を臨界点といい、この点以上の領域の水を超臨界水と呼んでいる。この時の温度、圧力を、それぞれ臨界温度、臨界圧力と呼び、水の場合はそれぞれ374℃、22.1MPa(220気圧)である。超臨界水は液体の水の密度と気体の水蒸気の拡散性を併せ持つ特異な性質を示し、密度は液体に近いが粘度は小さくなり、気体に近い。拡散定数は気体より小さいが、液体よりも遙かに大きい。熱伝導率も気体と液体の中間で、溶解度も室温の水とは全く異なり室温でほとんど溶けない有機物やガスなどを溶かすことができる。つまり、温度と圧力の変化によって様々な性質を持った溶媒に変化しうる。火力発電では既に超臨界圧発電が実用化されており、原子力発電においても高効率で構造の簡素な超臨界圧軽水冷却型原子炉が検討されている。


<登録年月> 2013年01月

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