状態基準保全

状態基準保全 じょうたいきじゅんほぜん

 condition based maintenance (CBM). 機器の状態を監視し、劣化兆候を把握することにより、劣化状況に合わせてその都度保守を実施する保全方法。状態監視保全と同義に使用されている。従来、日本の産業設備は非原子力分野を含め、一定の時間ごとに保守を行う時間基準保全が主流であった。しかし、この保全方式では設備の状態に関係なく保全を実施するので、不必要な保守作業によるコスト負担や人的過誤の発生等の問題が指摘されていた。この問題に対して、欧米では、不具合の兆候に基づく状態基準保全への移行が早くから進められており、原子力発電所の設備にも導入されている。これにより、メンテナンスコストの削減や予知による不具合発生率の低減、高い稼働率が実現されており、大きな経済効果が実証されている。そこで、日本の原子力発電所でも従来の時間基準保全と併用する形で状態基準保全を導入すること、状態基準保全の実施に当たっては機器の保全重要度を勘案して保全方式、方法、頻度等を計画することとしている。


<登録年月> 2010年12月

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