高経年化対策

高経年化対策 こうけいねんかたいさく

 長期にわたる原子力発電所の運転は、原子炉、冷却系などを構成する機器や配管、容器等に磨耗、ひび割れなど高経年化に起因する劣化を生じさせるので、これら予見される劣化について計画的な対策を採ることをいう。原子力発電所は運転開始から廃止措置に伴う運転終了までの長期間にわたり、事故の発生がないように日常点検、定期検査の実施等の保全活動を行って安全性と信頼性を確保している。運転開始から30年を迎える発電所の保全活動については、1996年(平成8年)から事業者は、国の指導のもと長期運転に伴う経年劣化事象が懸念される設備の機器や配管、容器等に対する現状の保全活動を評価するとともに、追加的な対策の必要性を検討し、これに基づく長期保全計画を策定するなどの高経年化対策を実施し、国はその妥当性について専門家を交え評価を行ってきた。2003年(平成15年)10月の制度改正で、高経年化対策は原子炉等規制法などで義務づけられ、事業者が定める保安規定に盛り込む項目となり、同時に品質保証も併せて追加規定されたことから、事業者の行う品質保証活動等の一環として実施されることになった。


<登録年月> 2012年12月

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