知識創造企業などにおいて知識が創造されるプロセスに関する理論モデルで、知識マネジメントの基礎理論として知られる。このモデルは野中郁次郎らによって提示され、1991年にハーバード・ビジネス・レビューに掲載された。この理論によれば、知識には暗黙知と形式知の2つがあり、それらが個人、集団、組織の間で相互に変換移転することによって新たな知識が創造される。SECIモデルはこの変換と移転のプロセスを提示する。すなわち、1)共同化(socialization):共体験などによって暗黙知を獲得・伝達する、2)表出化(externalization):得られた暗黙知を共有できるように形式知に変換するプロセス、3)連結化(combunation):形式知同士を組み合わせて新たな形式知を創造するプロセス、4)内面化(internalization):利用可能になった形式知をもとに個人が実践を行い、その知識を体得する。このようにして、再び暗黙知になった個人の知識が上記の1)から4)の過程を経てより高い知識レベルへ変換されていく。