ある特定の蛋白をターゲットにその遺伝子を欠損させた動物を作成する技術が開発され、その動物の症状を解析することにより種々の病態との関係を解明することが出来るようになった。この遺伝子欠損動物の中ではマウス系で最も解析されている。特定の遺伝子をノックアウトしてあるので、ノックアウトマウスと呼ばれる。ノックアウトマウスは遺伝子の働きを調べたり、新薬の効果を調べたりするのに利用されている。例えば、機能のわからない遺伝子が見つかった場合、遺伝子操作によって、その遺伝子を働かなく(ノックアウト)したマウスを作り、正常なマウスと比較すれば、その機能の異常が見つかることになる。その異常の起こった原因がその遺伝子にあることが推測され、遺伝子の機能の解明に結びつく。また、生まれつき高血圧になるようなノックアウトマウスを作り、新薬の高血圧への効果の有無の判定などにも利用される。