4S炉

4S炉 よんえすろ

 Super Safe, Small and Simple Reactor. 電力中央研究所と東芝が共同研究で開発した出力1万kWのナトリウム冷却小型高速炉で、英語名で頭文字の4つのSをとって「4S炉」と呼ぶ。この炉は燃料を交換しなくても約30年間にわたって自動運転でき、安全性が高いのが特徴である。冷却材にナトリウム、減速材に黒鉛、燃料に金属燃料(UーPuーZr合金)を採用しており、核分裂反応によって発生する高速中性子の制御方法に独自の工夫があり、固有の安全性を確保している。図1のように炉心は細長く、炉心の周囲を囲むように円筒型中性子反射体(フェライト鋼製)を挿入している。この反射体を油圧で、毎日1mm程度上昇させて燃焼を制御する。つまり、この反射体によって中性子が炉心に反射され、中性子が照射された燃料部分だけが燃焼(核分裂反応)する。このように4S炉の場合は、この反射体がないと連鎖反応が起きないので、アクシデント時は、反射体を自然落下させたりして安全性を確保できる。4S炉は、2012年頃に米国アラスカ州の村で試験運転に入る予定となっている。


<登録年月> 2006年10月

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