二次宇宙線 二次宇宙放射線

二次宇宙放射線 にじうちゅうほうしゃせん

 宇宙空間から地球大気圏へ侵入した一次宇宙線が大気中の窒素や酸素の原子核と衝突して生成する二次粒子をいう。一次宇宙線の大部分は高エネルギーの陽子であり、大気圏に侵入した一次宇宙線は、まず大気上層の窒素や酸素の原子核に衝突し、陽子、中性子、パイ中間子、ミュー粒子などの二次粒子を発生させる。これらの二次粒子はさらに窒素や酸素の原子核に次々と衝突し、多数の粒子を発生させる。エネルギーの高い一次宇宙線ほど、多数の二次粒子を発生させる。宇宙線は自然放射線の一種であり、大気の遮蔽効果が小さい上空ほどその線量が大きい。例えば、富士山頂では平野部に比べて約4倍の線量となり、高地に住むと宇宙線の被曝量が増加する。しかし、もともと人体が自然放射線から受ける被曝の中で宇宙線の割合は比較的小さいため、高地の住民が他の地域よりも大きな健康影響を受けている事例は確認されていない。


<登録年月> 2012年07月

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