太陽表面の大きな黒点の周辺で起きる大爆発を太陽フレアという。フレアが起こると、黒点のまわりに非常に明るい部分が現われ、数分間で最も明るくなり、その後ゆっくりと暗くなっていく。短いものでは数分、長いものでは数時間続く。太陽フレアは黒点の活動と密接な関係があり、黒点周期の極大期には大黒点や黒点群の近くで頻繁にフレアが起きるが、極小期にはあまり起きない。フレアは黒点の磁場の変化に伴い、そのエネルギーが周囲のガスに伝わって起こると考えられている。高温の爆発するガスからは、電波やX線のほかに、電子や陽子など、電気を帯びた素粒子が飛び出す。X線やこれらの素粒子は地球に1〜2日後に到達し、電離層や地磁気を乱して、電波通信が妨害されるデリンジャー現象や磁気嵐を起こし、また、オーロラの活動を活発にする。さらに地磁気緯度の高い欧米では、太陽フレア時における飛行中の航空機内の乗務員の被ばくも懸念されている。