プラスチック線量計

プラスチック線量計 ぷらすちっくせんりょうけい

 プラスチックを固体飛跡検出器として用いた線量計をプラスチック線量計という。米国で開発されたジエチレングリコールビス(アリルカーボネート、眼鏡のレンズにも使われる)を用いたCR−39プラスチック検出器がよく知られている。宇宙飛行士の被ばく量の測定や宇宙放射線生物影響実験にも有効である。宇宙環境における放射線を計測する場合、電力や消耗品を必要とする測定器は適さないので、多くの場合、受動型検出器として熱蛍光線量計(TLD)が使われてきた。TLDは取扱いが簡単で、放射線を正確に見積もることができるが、放射線の種類を仮定しないと、線質係数や生物学的効果比を精密に見積もることができない。プラスチック線量計では、プラスチックなどの絶縁固体に荷電粒子が入射すると、その粒子の飛跡にそって損傷が生ずる現象を利用している。被ばくしたプラスチックを化学処理をすると、損傷した部分が速く侵食され、エッチピットができる。このエッチピットの形を詳しく調べ、入射した粒子の位置や飛来方向、電荷状態やエネルギーなどのさまざまな情報を得ることができる。(図1参照)


<登録年月> 2006年09月

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