ピークオイル

ピークオイル ぴーくおいる

 埋蔵量の半分程度が生産された時点で石油の生産量がピークに達するという仮説。米国の地質学者ハバート(M. K. Hubbert)は米国内の多数の油田の生産量実績を分析し、各油田の累積生産量が埋蔵量のほぼ半分に達した時点で生産量がピークとなる釣鐘型の曲線(ハバート曲線)に従うという経験則を見出し、米国全体の石油生産量がピークに達する時期を予測した。この予測が的中したため、その後、世界全体の石油生産量の予測についてもハバート曲線が適用できるとの見方が拡がり、石油生産量がピークに達する時期を2010年頃と主張する専門家が1990年以降増えてきた。なかには、2010年以前に在来低コスト資源については既に生産のピークに達しており、原油価格高騰はその影響との主張もある。ただ、既存油田の埋蔵量評価値には大きな不確かさがあり、現在でも新規油田の発見があり、さらにオイルシェール、タールサンド等の非在来型資源の商業生産も始まっている。また、最近の原油価格の高騰は、希少性の高いコモディティ全般への投機的資金の流入(いわゆる資源インフレ)の一環との側面も否定できない。このため、在来型の低コスト資源を対象としたピークアウトの主張については、明確な証明、反証のいずれも困難である。また、ピークオイルの考え方自体は否定しなくとも、その切迫性に対しては懐疑的な見解の石油専門家も多い。


<登録年月> 2012年01月

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