ヒドロキシアパタイト

ヒドロキシアパタイト ひどろきしあぱたいと

 リン酸カルシウムの一種で、骨や歯の主要成分であり、水酸化カルシウムとリン酸を反応させて得られる。歯科の分野においては人口歯の材料として、フッ素に代わる歯質強化剤として注目されている。化粧品ではファンデーションやアイシャドウなどの形状を保つ目的で配合されている。ヒドロキシアパタイトでできている、歯のエナメルを用いて、電子スピン共鳴法(ESR)によって個人の集積被曝線量を求める研究は、チェルノブイリの原子力発電所事故に関連して、盛んに行われてきている。しかし、ESR信号には線量計測に妨害となる有機物の信号が重なっており、これを取り除く必要がある。線量計測に用いる信号、妨害となる信号がそれぞれ既知であれば、行列を用いて数学的に分離でき、この方法で、実際にチェルノブイリ事故に関連した歯のエナメルの被ばく線量が求められている。この方法の特長は誤差を定量的に評価できることであり、この誤差の大きさが最小検出可能線量であるとすれば、120mGy程度である。なお、魚類のヒレやウロコもヒドロキシアパタイトを含み、線量評価の対象になる。


<登録年月> 2006年09月

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