compressed air energy storage. 電力貯蔵技術の一種で、CAESとも呼ばれる。通常はガスタービン発電システムと組み合わせて使用されるので、CAES-G/Tと表記されることも多い。深夜や休日の余剰電力を利用して作った圧縮空気を岩盤内に設けた貯蔵施設に貯蔵しておき、ピーク負荷時などに必要に応じて圧縮空気を取り出して燃料を燃焼させ、ガスタービンで発電を行う。長所として、大電力が得られること、比較的立地条件の制約が少ないことが挙げられるが、排煙対策が必要である。また、電力の貯蔵効率は70%程度である。CAESガスタービン発電の出力は一般的には数十万kW、貯蔵電力量が250万kWh程度である。海外では、ドイツ、イタリア、米国で実績がある。日本では、北海道上砂川町の炭坑跡地に2000kWのパイロットプラントを建設した。CAESガスタービン発電には気密性・耐圧性の優れた地下貯槽の建設が必須条件となるが、日本では比較的軟質で亀裂が発達した岩盤が多いため、この条件に適応できる地下貯槽を経済的に建設することが課題となっている。