HOP(Hydrazine Oxalic acid Pottassium permanganate)法は、原子炉施設の解体前除染等に用いられる化学除染法の一つで、除染対象の機器、配管の付着酸化物を酸化、還元の処理工程で溶解する。すなわち、酸化工程で酸化剤(過マンガン酸カリウム)を用い難溶性のクロム酸化物(3価のクロム)を酸化し、溶解し易い形(6価クロム)にし、溶解を促進する。酸化工程の後にシュウ酸を添加すると、過マンガン酸カリウムは、還元分解されマンガンイオン、カリウムイオン、炭酸ガスに変化する。シュウ酸を用いる還元工程によりクラッド成分である鉄酸化物を溶解する。この還元工程で構造材料への影響を考慮してヒドラジンを添加し、pHを2.5に保持する。溶解した放射性金属イオンは、連続的にカチオン樹脂に捕捉・除去される。還元工程の後、シュウ酸とヒドラジンは、過酸化水素共存下で触媒塔に通水して、炭酸ガス、窒素ガス及び水に分解される。溶出したクロムイオン及び残留しているカチオンイオンを混床樹脂床へ通水し除去する。これらのサイクルを繰り返して除染を完了させる。(図1参照)