TENR

TENR てぃーいーえぬあーる

 Technologically Enhanced Natural Radiation、人為的に高められた自然放射線(環境放射線)と訳されている。自然界には様々な放射性核種が存在し、それらを含む物質は自然起源の放射性物質(NORM:Naturally Occurring Radioactive Material)と呼ばれている。自然放射線の大部分は線源および被ばくを制御することが不可能か困難であるため、国際放射線防護委員会は規制の対象から除外してきた。しかし、ICRP Publ.60勧告では、自然放射線のなかでも被ばくが制御可能である場合には防護の対象になりうるとされた。NORM、その中でも特にTENORM(Technologically Enhanced NORM)に対して国際的な規制の動きに合せて日本でも新たな規制を導入するための検討が行われている。人為的に高められた放射線による被ばくとしては、航空機利用による宇宙放射線被ばく、家屋構造(地下室設置や建築材料の変化、気密性の向上など)や生活習慣の変化に伴うラドン被ばくの増大、通常は放射性物質と見なされないが、有意の量の天然放射性物質を含む物質(リン酸肥料等)の取扱による被ばく等がある。


<登録年月> 2006年05月

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