炭層メタン増進回収法

炭層メタン増進回収法 たんそうめたんぞうしんかいしゅうほう

 Enhanced Coal Bed Methane Recovery(ECBMR) 石炭はメタンより二酸化炭素CO2の方が結合し易い。この性質を利用してCO2を採掘困難な炭層深部に吹き込むことで炭鉱メタンを遊離させ回収しCO2を固定する技術がECBMRである。不要なCO2を地下に固定し、メタンを回収することができる。石炭へのCO2の吸着量はメタンの2倍以上であり、炭層にCO2を圧入すると、CO2の吸着に伴い炭層に吸着していたメタンが脱着する。温室効果ガスであるCO2の大気放出を抑制するため、火力発電所等の大規模発生源から回収したCO2を石炭層に圧入してメタンと置換させ、CO2を炭層に固定しながら未利用のメタンガスをクリーンエネルギーとして回収する。炭層固定は、地下1000m前後の石炭層にCO2を注入する。石炭層は、CO2を注入するとメタンを分離する。日本国内で10から100億t−Cの貯留ポテンシャルがあるといわれる。吸着の安定性、永続性、貯留容量の検証等が課題である。北海道夕張の石狩炭田で実証試験が進められている。


<登録年月> 2006年05月

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