ハルデン沸騰水型炉(HBWR)は、ノルウェー国ハルデンの岩山を掘削して、その中に設置した重水減速、重水冷却の原子炉(最大熱出力25MW、冷却材圧力3.4MPa、冷却材温度240℃)である。この原子炉の特徴は、重水炉のため、炉心が大きいので、試験燃料体の照射リグの間隔を大きくとれ、且つ多数装荷できることと、原子炉圧力容器の蓋が平板であって、燃料集合体ごとに試験燃料体装荷用貫通プラグを有することである。このため、様々なニーズに対応した試験燃料棒の炉内装荷及び多重計装装置類の使用が可能な試験研究炉として世界中から評価されている。炉心での熱中性子束は当初最大5x1013n/cm2で、試料燃料の濃縮度を10%程度まで上げないと、必要な発熱量が得られなかったが、1983年に炉心を改造してドライバー燃料の一部に高濃縮の燃料を装荷して熱中性子束を約2倍にした結果、軽水炉で使用する低濃縮燃料の試験も可能となった。